俺が就活を通じて自殺したくなるまでの話

去年の3月に俺の就活は始まった。当時の彼女と一緒に合同説明会に行く約束をするも当日朝にドタキャンされたり、彼女の下宿先に泊まった翌日に学内説明会に一緒に行こうと言うも露骨に嫌がられて一人で行ったり、結局4月まで持たずに破局したりする幕開けであった。

当時の俺は自分が就きたい職業というものが一切無いままに、文系だし…TOEICもやってないし…簿記もないし…とただただ消去法的にサービス業や年間休日が少ないものを弾いて、近場の営業向け説明会をいろいろ受けては、練られてない志望動機・走り書きの履歴書・長年のオタクコミュニティでの生活で培われた愛想の悪さや元気の無さや聴き取れない早口などを理由に一次面接でバッサバッサとお祈りされ続けた。

 

6,7月になると周囲も就活は終わり始めて行っていたが、そんな中で俺は目標地点も見えないまま、目標を下げたらどうにかなるではと中小の町工場なんかも受けては祈られるのを続けた。メーカー、印刷、建築、人材、色々と30社ほど受けただろうか。残っている企業を受けているといつの間にかサービス業かブラックのみになっており、ブラック2社から内定がもらえたのみで1年目の就活は幕を終えようとしていた。

 

 大卒後、公務員試験浪人を繰り返した兄を持つ家庭なので、父母はそんな俺を刺激せず、追い詰めない用に「就活浪人もアリ」「本当にやりたいことを見つけてほしい」「本人が満足できる社会人生活が送れたら良い」などと有難い言葉をかけてくれた。そんな言葉に甘えて、資格の勉強や志望動機固め・業界研究などもロクにしないまま就活浪人という安易な選択肢を選び、2週目を迎えた。が、努力すべき時に努力しなかった俺を待っていたのは当然のお祈りの嵐×2回目であった。一度持ち球を全て消失した俺は現実逃避にswitchを買いゼル伝をやった。ハイリアをパラセールで飛び回った。たのしかった。

 

 3~5月のスタートダッシュを再び失敗してハイリアを飛んでると、就活生は今年は既に75%が内定~~なんて話をニュースで耳に入ってきた。それが6月頃だったろうか。遅すぎる焦燥感に駆られた俺は、去年に同じく就活浪人を選択し、今年は無事大手から内定を得た友人に助けを求め、履歴書や面接対策などのアドバイスをもらった。これを聞かれたらこうしよう、質問はあるかと聞かれたらこう質問しようといった内容を固めていき、面接に向かうようになった。1年と半年を持ってようやく改善が行われた瞬間であった。

7月も末に入り世間は夏休み、企業の新卒求人もほぼほぼ枠が埋まる中、一つ手ごたえがあった企業があった。あるメーカーだったが、大学1回の頃からやっていたバイトでその商品を扱う機会があったことや、HPでそのメーカーが作っている製品に目を通し他社との差異を把握、同業他社の説明会などを受け業界を研究するなどをしてから向かった一次面接は成功に終わり、人事とも非常に意気投合した円滑なコミュニケーションができた。翌週に迎えた最終面接では一次面接の人事担当が、会場にいる4人に向かって笑顔で「一次で厳選した人材だから皆自信を持ってほしい」「ほぼ働いてほしくて残ってもらってるから、あとはこっちの都合と合うかどうかだけ」といった内容のことを言った。内心ほくそ笑んだ。

 いざ社長との最終面接、特に質疑応答に関して致命的なミスはしなかったし社長の質問にも論理的に返答できていた。業界に入ってこんなことをして世の中をこんな風に変えたい、といった夢も語り、熱意を持った青年を演じた。そんな中、唐突に社長が「キミ、人好き?」と聞いてきた。

 

あぁ、俺は人が嫌いに見えるんだなぁ。印象がそうなんだろう。今まで何度も営業職という志望を断られてきた過去に納得が行く思いだった。自分は営業職に向いていないし、ハタから見てもそうも見えるし、それを取り繕うスキルも無い。70数社も受けては落ちてきたのだ。そりゃ致命的な欠陥があるに決まっている。

 

間を置かず、ハイ、好きですよと答えるも、社長はふーんといった顔をしていただけだった。全員の個人面接が終わった後、人事担当は「ダメだったとしてもこっちの都合と合わなかっただけだから、キミ達は魅力と才能ある人格だから」といった「祈った後のフォロー発言」をしてきた。

 

実家に帰宅して両親に最終面接を終えてきたこと、結果は翌週来ることを告げる。

 

そして今日がその翌週である。夢で、内定のメールが届くのを2回見た。朝、そんな夢を見ながら夢うつつで自室のある2階で寝てると、階下から両親の「落ちていたらなんて声をかけたら良いか分からない…」といった声が聴こえて、その声で目覚めた。

 

起きてすぐスマホを握りしめ、メールを更新するも、何も届かない。

確認を10分ほど置きに繰り返した。20、30回と繰り返す。夕方を過ぎても、Amazonからのおススメ商品のメールが届いているのみだった。

 

 

サイレントお祈りという言葉が染み渡ると共に、自然と、ああ、自殺が一番楽そうだなぁと思った。 

 

一体なにがいけないのか。業界と企業を研究して、面接対策をして、学生時代の経歴が活かせる分野に志望しても「人が嫌いそうに見える」という理由で社会から弾かれ続けるならどうすれば良いのか。そんな俺がいることで両親に精神的・経済的負担をかけている俺は何の為に今生きているのか。こんな調子なら俺が今後生きていても人生が良くなることは無いのでは。結局大学時代、去年と今年の春に努力を放棄し続けたゼル伝やらスプラトゥーンやらやってたツケであり俺がカスというだけなのでは。

あらゆる自己否定が渦巻いた結果、考えるのを放棄したくて浮かび上がった結論だった。

 

 

 

色々書いたら整理できて落ち着いたしなんか満足できたしどこかに発露して消化するってのは大事ですね。シコって寝ます。