スーパーマリオオデッセイ、プレイ感想(ややネタバレ込)

 マリオオデッセイをとりあえずエンディング、その後やり込み要素を色々やるフェイズまでやったので感想を書きます。

 

良かった点

・新たな世界観とグラフィック

 今までのマリオは舞台やハードを変えながら色々な冒険をしても「マリオ的な敵」「マリオ的な世界」から脱することはなかったが、今回はデモやCMでも目玉として公開されているように、八頭身の人々が歩く都市や、ティラノサウルス、ダークソウルのような本格ダークファンタジー的ステージなどがあり、「マリオならこういう感じのステージだろ」といった予想を裏切ってくれた。

 また、それらのグラフィックのクオリティの巧みさが良い意味でのマリオとの違和感を演出し、「異世界に来た」ような感覚をもたらし、写真をパシャパシャと撮りたくもなるしステージも探索したくなった。

 オデッセイのテーマは「旅」らしいが、「マリオ的世界」を脱することによって本当にプレイヤーに旅をしてる感覚をもたらしてくれたな、と思う。(今回の記事もマリオなのにこんなステージがあった!風景があった!ということを言いたくて書いてるのが3割くらいある)

 

以下ややネタバレ写真

 

 

 

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マリオでこんな風景が見れるなんて思っておらずプレイ中に撮った

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マリオやってたと思ったら突然ダークソウルになってびっくりして撮った

 

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単純にキレイだったから撮った

 

 

 

・適度な難易度

 オデッセイを買うに当たって、懸念していたのは今までの3Dマリオシリーズ同様に難易度が低いのではないか、ボス戦でヒヤヒヤしたりすることは無いのではないか、という危惧だった。サンシャインや64のマリオは体力が「8」と多く、子供がプレイしても雑魚敵に倒される、といったことはまず起きなかったしボスに追い詰められることすら無かった。8回も敵にぶつかる、それも途中で回復アイテムであるコインを拾えないといったことはまず起きない。アクションゲームに必ずあるはずの、攻撃を喰らってピンチになって焦る、回復して安堵するといった興奮が無い点がマリオシリーズの好きになれない点だった。

 しかしオデッセイは体力が「3」とかなり少なくなっており、雑魚敵とうっかりぶつかって2、その後ギミックをミスって1、と大人(22歳大学生)がプレイしてもヒヤヒヤする場面は複数回あったし、強力なボス相手には数回ほど負けることもあった。溶岩のステージなんかでは雑魚敵にぶつかる→押されて溶岩に落ちる→地面に戻ったとこをまた雑魚にぶつかるのコンボで、凡ミスから即死につながるのでしっかり難易度が高く感じた。というか十数回くらい死んだ。

 あと、コインを拾ったら体力が回復していたサンシャインなどと違い、回復アイテムがかなり希少性が高く、ボス戦なんかでは残体力1で必死にステージを駆け巡って回復アイテムを探す(それでも1しか回復しない)みたいなシーンもあった。

 今までのマリオシリーズではなかったし、オデッセイを買うにあたっても正直期待していなかった「アクションゲームをやっているスリル」を体力3という設定がもたらしてくれた。

 子供・初心者用に救済案もしっかり用意されており、いつでも難易度が変更でき、おたすけモードにすると体力が5になる上に落ちてもすぐ復帰できるようになっているし、ノーマルモードでも体力を一時的に6まで増やすアイテムがどのステージでも入手できる。安心のファミリーニンテンドー

 

 

・過去作へのリスペクト(=旧作・古くからのファンへのサービス)

 ポリーンが出てきたり、2Dマリオになるギミックがあったりしてた辺りからリスペクトは感じられたが、その都市のステージ(名前はニュードンクシティ)を攻略し終えた後には2Dマリオになってドンキーを倒すステージがあったり、エンディング後に開放されていく衣装には医者の衣装(ドクターマリオ)や64マリオ風になるものが用意されており、おっさんやファンがニヤニヤできるポイントが多数。

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・演出

 この辺は言語化しづらいしネタバレの都合も大きいので詳細は省くけれど、都市ステージのメカハナチャン戦前後の夜の大都市や、JumpUp、SuperStar!のイベントと、最終戦辺りの演出はすごかった。そもそもJumpUp、SuperStar!という曲が強い。

 

 

・ボリューム

 エンディングまでは正直短い。暇な大学生であれば2~3日あれば、社会人でも帰宅後でも一週間もあれば見ることができるだろう。が、そこから解禁される要素の多さが異常に多く、エンディングまで10数時間かけたとしたらエンディング後を楽しみきるには50時間かかるんじゃないかと思われるほどある。

 詳細を言うと、次のステージに行くためには各ステージでムーン(=今までのスターやシャイン的ポジ)が10数個要求され、その為に謎を解いたり探索したりボスを倒したりする訳だが、ムーン必要数さえ満たしていれば大ボスやイベントも無視して良く、実際に無視して進行すると凄いサクサクとステージが進んでいく。が、各ステージには実はムーンが60~70個くらい用意されており、エンディング後はムーン全部集めろよと言ってくる。

 嬉しいのはムーンが一定数溜まる度にショップにアイテムが追加される、裏ステージに行けるなどのボーナスが貰える点であり、また、クリア後はムーンの場所も大体教えてくれるようになるので探索もサクサク捗り、凄い勢いでムーン集めができるのだが、おそらく千個くらいのムーンが用意されている為、尋常ではないボリュームになっている。ずっと大冒険できるね!!

 

 

悪かった点

・ボス戦は既視感の塊

ステージや世界観・演出面が今までとは違うマリオを見せてくれたのに対して、ボス戦は良くない意味で古臭いものが多かった。まず殆どのボスがマリオ64、ゼルダの伝説スプラトゥーンのヒーローモードなどで多用されてきた「1回攻撃を当てる度にボスの攻撃が激しくなっていって、3回攻撃当てたら倒せる奴」。あー、この攻撃跳ね返してひるませてジャンプして踏めば良いんだな、とか、ボス戦始まったら目の前に露骨に置かれてるこいつキャプチャーしてそのアクション当てたら良いんだな、みたいなのの連続。一部のネームドボスは複数回登場したりするが、攻略法は共通しており、またこの攻略方法繰り返すのかよ…とげんなりした。

複数のキャプチャーアクションが用意されておりどっちを使っても戦えたりするような自由度や、攻撃が激しくなるだけじゃなくて大きく形態や攻撃方法が変化していく敵などの、既視感を抱かせない新しい何かが欲しかったところ。

 

・2Pプレイは課題が多数

 ジョイコンを受け渡しての2人プレイができる。買った初日に友達の家で早速ワイワイ言いながらやったし、ギャーギャー言いながら結構楽しめはしたが、はっきり言って結構な別ゲーになる。そして、派手な点と、ストレスを感じる点があった。

 派手な点は「帽子側」が強すぎる点。本来攻撃アクションである帽子投げを2Pが司ることになるが、攻撃手段そのもになった2Pは「無敵かつ常に攻撃判定を発しながらマリオの周囲をぐるぐる高速で動ける」ということで、結構ゲームバランスが崩れ別のゲームになる。最強のファンネルと化して周囲を駆け巡るのは2P側からすると笑いが止まらないようでもあり、ライフが減る恐れが無い無双の虚しさもあり。マリオ側も雑魚敵が目の前から片っ端から消し飛んでいくので移動しかやることがなくなる。

 ストレスを感じた点は、マリオがキャプチャーしたり2Dアクションしてる間、帽子投げアクションは封印されるので2Pは操作不能になる点。特にキャプチャーは今作のメインシステムであり、1ステージを攻略する間に多用するので2Pは結構な頻度で手持ち無沙汰になる。ここは2人プレイするゲームとしては致命的な点であり、なんとかしてほしかったなぁと思う。後、ジョイコン一つだとカメラ操作がめっちゃやり辛くマリオ側も操作が困難になってカメラ操作が煩わしくてとりあえずジャンプしたら奈落に落ちて死んだり、死角の敵にぶつかったりがよくあってストレスフルだった。

 

・キャプチャーアクションがそんなに楽しくなかった

 まずキャプチャーアクションの説明をすると、今作のマリオはいろんなものに憑依することができ、カエルに帽子を投げるとカエルになってジャンプ力がめっちゃ上がって行けなかった高いところにいけるようになったり、プクプクをキャプチャーすれば水中で高速移動も呼吸もできるようになって海底に行けるようになったり、ハンマーブロスになったら壁や岩を壊したりといったことができる。これらのキャプチャーを駆使してムーンを集めたりボスを倒したりする。

 ここは賛否両論ある点かな、とも思うけれど、個人的にキャプチャーアクションをするとむしろ自由度が狭まるように感じる点があり、そこが楽しめなかった。どこでも変身できるシステムではなく、敵キャラがいて、そこに帽子を投げることでできるアクションなので、まずどうしても解くべきギミックの前にキャプチャーすべき敵がいて、「ここでキラーを用意してるからキラーになって空を渡ってね」「このボスはこいつになって倒してね」といったことが分かり易すぎて「キャプチャーを強要させられている」感覚になった。

 また、行ける範囲を限定する為だろうが、キラーであれば上には飛べないし時間制限で爆発する、キャプチャーしないと解けないギミックをクリアした後はマリオに戻らないと進めない様になっている等の制限も露骨な為、カービィのコピー能力のようにこのキャプチャー気に入ったからこれ使い続けて攻略したろ!といったこともできないし、ゼルダのブーメランやフックショットのような道具を使った謎解きのように「ここでこのギミックを使えば解けるのか!」といった閃きやそれによって得れる快感が無くて単調に感じた。

 キャプチャーというシステム自体は発展性が大きくあるしインパクトもあり、実際マリオの敵キャラを操作する感覚は始めのうちは楽しかったので、「使い捨てのステージギミック」のように運用されたのが勿体なかった。

 

 

3Dアクションゲーが好き、探索系が好き、マリオシリーズが好きのいずれかに当てはまったら買っても後悔しないと思う。胸を張って誰にでもおススメできるかというとそうではないかなぁとも思う。以上、トータルで100点満点中70点くらいだったって感覚です。