同棲し始めたことをインターネットに書きづれぇ~~~って話

8月中旬から彼女と同棲し始めて4か月が経ちました。
「サラっとツイートしようかな~」「でもマウンティングみたいになったらいやだな~」「だからと言って言わないのもなんか不誠実じゃない?いや別にパンピーが言う必要ないんだけど…」みたいに思ってたら2022年が終わりかけているので、いい加減向き合うための文章です。

 

 


躊躇う理由①
「独身男性オタク」という属性から離脱することに「遊び相手でなくなる」「つまらなくなる」と思う気持ちがあるから

 

Twitterに「健康になりました!」「昇進しました!」「同棲します!」といった類の報告を書くことにはとても強い躊躇いがある。それらは面白くないので。

いつまでも独身一人暮らし、深夜3時までオンラインゲーム、昼飯はカップヌードルの生活の方が「お前ら」らしいしインターネットにおける「普遍」であり「オモロ」であり共有する項目が多い「オタク」。その場では社会的な成功を報告するのはイキりであり面白くない。
そんな生活は結婚引いては子供ができて育児へ…となると当然しづらくなっていく。自分が好きなコミュニティや空気感からの卒業宣言には躊躇いが生じる。

20代後半の主人格であるどくいろAくんは同棲という選択を選んだ訳だけど、10代の人格のどくいろBくんの残留思念は「つまんねぇ奴になっちまったな」と毒づいてるんすよね。

 


躊躇う理由②
俺のアイデンティティに「ルサンチマンであること」があるから

 

ルサンチマンressentiment、 (フランス語発音: [rəsɑ̃timɑ̃]) )は、弱者が敵わない強者に対して内面に抱く、「憤り・怨恨・憎悪・非難・嫉妬」といった感情[1]。そこから、弱い自分は「善」であり、強者は「悪」だという「価値の転倒」のこと[1]

 

普通の人はここまでグチグチ考えずに普通に友人への業務連絡等も兼ねてサラっと「同棲始めました~~」だの「入籍しました!(入籍届Wリング写真ツイート)」とかやるんだろうけど、俺は特にインターネットを「ルサンチマン的な感情を共有する場所」として使い、そこに居心地の良さを感じ続けていたタイプのオタクなので躊躇いが強い。

 

そもそも自分が考える「オタク」を構成する要素として、
・特定のキャラクターや世界観、趣味を強く好み、それらを摂取することを生きがいとしている
・そのため一般的でない知識や経験やスキルがある(それらは概ね社会的に役立たない)

 

という「マニア嗜好的な性質」と、


・クラスで浮いたりカースト弱者だったりいじめられたりといった体験から自己肯定感が弱かったり、カースト強者の要素を持つ人間を嫌う性質を持つ
・社会に適合できないため、普通に社会で過ごせる人たちへの羨望や嫉妬がある


といった「ルサンチマン的」な性質があると思ってる。


少なくとも15年前2chやらVIPやらにいた「おまえら」という匿名の群体は両者の性質を強く帯びていた(というか、そのように見えた)。

なので俺はオタクとはその二つの性質を帯びているものだと思っていたが、実際、匿名性インターネットからアカウント性SNSに主流が流れ、分断された個のオタクを見ていくと全くそんなことはないことが分かっていった。
前者のみの性質を持つ、いつまでもBLや百合や特撮やらが好きだけど健全に人生を歩んでおり、アングラなノリは好まない人もいる。後者のみの性質を持つ、そんなに没頭しているオタクな趣味はないけどインターネットで誰かを叩いたりアングラなネタを共有したいという思いが強いオタクもいる。
この両者は分離できる性質であり、オタクは濃淡の違いこそあれど両者を持ちがち、というだけの話だけど、俺はその例でいうと後者の性質が強い「オタク」をやってきた。
別に俺の嫁だったり推しだったりはいないけれど、社会の主流を嫌う逆張り野郎で、意識高い系的な言動をする人を嫌う。社会ではマイノリティとされる価値観の共有者がいっぱいいるインターネット、「おまえら」と書いて「クラスの冴えない奴らの逃避先」と読むそこは居心地が良かった。

さてそんな私も同棲して幸せな生活を過ごしています。わーぱちぱちおめでとう。
するとある程度帰属意識を持っていた俺の「オタク」という属性は薄くなり、アイデンティティを一つ見失ってしまうから、報告に躊躇いが生まれるんですね~。

皆もルサンチマンに浸ることをアイデンティティにするのはやめよう!



躊躇う理由③

友達やTLのオタクのコンプレックスを刺激して傷つけるかもしれないから

逆だったかもしれねぇ という思いがあります。

 

躊躇う理由④
イキり、マウントと思われたくないから
「俺なんやかんやパートナーいるんすわw人生、着実に進めてるんで^^」ってマウンティングマンにはなりたくない。
そもそも結婚して子育てする人生こそ善!という価値観が正とは思ってないしそれを押し付ける人間には絶対なりたくない。猫飼ってゲームしまくって死ぬ人生も全然最強の選択肢だと思う。
あとまぁ今後の人生に発生しうる様々なリスク、破局家財持ち出し離婚育児病etcの可能性が人生に降りかかってくることを考慮すると「俺、幸せっすから^^」とマウントするような気持ちにはなれないし、親やら上司やらもこんな決断と選択をしてきたんだなぁと思うと、なんだか各々の人生にリスペクトが生まれるね~。

 

 

躊躇う理由⑤

そもそも同棲って状態中途半端じゃない?

バタフリーになりました!じゃなくてトランセルになりました!って報告する?

 

 

 

「結局これらの躊躇う理由を乗り越えてなんでこの記事をインターネットの海に解き放ったの?」と聞かれると、言わないのもなんだかフェイク野郎な感じするよな…という謎の罪悪感を抱え続けてるからですね。

多分正解の立ち回りは
A:「リアルをネットに書かずに切り離して、何食わぬ顔のまま変わらぬ立ち回りをしろ」
B:「インターネット辞めろ」
C:「年と環境相応の使い方をしていけ」
のどれかになるんだろうな、と思うけど俺にはどれもしっくりこない。

あとダヴィンチ恐山とかにゃるら辺りの「社会不適合」的な素養を前面に出して、賛同者・同意者から支持を集める地位の築き方している人達は結婚報告とか難しいんだろうなぁ~リスキーだろうなぁとか考えたりしてます。カエルが実家太い描写だけで炎上したり、ファン層がルサンチマンオタクで構成されると社会的な幸福や裕福さは報告し損になるインターネットが構成されてるよね。まぁそのインターネットが好きなんだけど…

 

そういうインターネット著名マンに比べると俺は何も失うものはないし、まぁあんまり気張らずに、ゲームの話やら考えてることやらを気が向いたときに素直に垂れ流していける場所や相手がいるといいね…と思います。

以上です。